中絶手術の方法・掻把法と吸引法

中絶手術の方法について

中絶手術の方法について中絶方法としては、掻把(そうは)法と吸引法の2種類があります。それぞれの方法に利点と欠点とがありますが、当院ではそれらのメリットを最大限生かすため、これら2種類の方法を併用しながら手術を行っています。

掻把(そうは)法

キュレットと呼ばれる、スプーンのような細長い器具や、胎盤鋏子と呼ばれるはさみのようなものを用いて、子宮内から内容物を用手的に掻き出していく方法です。古くから行われていた方法で、以前はこの方法が主流でした。メリットは使用する器具が少なく単純である点です。そのため、感染などのトラブルを起こしにくいというメリットがあります。また、用手的に行うため、症例に応じ術者の加減を効かせることも可能です。
デメリットは吸引法と比べると難易度が高い点にあります。あくまでも人為的な操作によるため、器具によって子宮を傷つけてしまう危険性が全くないとはいえません。したがって、この方法で手術を行う場合は医師の熟練度が高くなくてはなりません。

吸引法

WHO(世界保健機関)により推奨されている術式です。
吸引器を用いて子宮内容物を吸い出す方法です。全体的に吸引をかけるため、手術時間を短縮できるというのがメリットです。しかしながら、圧をかけることにより子宮内壁の微細な血管を全体的に傷つけてしまうため、出血量が増えてしまうことがあります。また、妊娠週数が進めば進むほど難易度が高くなり、吸引法では対応できないこともあります。掻把(そうは)法に比べると使用する器械が複雑な形状となっているため、器械の洗浄や滅菌といった適切な管理がより求められるようになります。適切に滅菌処理されていない場合、感染症を引き起こす原因にもなりえるので注意が必要です。

当院では掻把(そうは)法と吸引法を併用しています

上記のように、掻把(そうは)法および吸引法ともにメリットとデメリットとがあります。当院では、院長の豊富な経験を生かし掻把(そうは)法と吸引法のどちらも併用しています。具体的には、最初に掻把(そうは)法にて軽く内容物を処理した後に、吸引法で吸い取っていきます。こうすることで組織のダメージを最小限に抑え、かつ内容物を残すことなく人工妊娠中絶手術を完了させることができます。所要時間は5~10分程度です。

中絶手術の前処置について

中絶手術を行なう際に、子宮口が狭い方の場合は、安全に手術を行なうために事前に子宮口を広げる前処置を行います。
前処置では、「ラミセル」という医療器具を子宮頸管に挿入します。ラミセルはスポンジ状の棒で、水分を吸収し、徐々に膨らんでいきますので、無理なく子宮口を広げることができます。やわらかい素材なので、子宮や子宮頚管を傷つけること無く安全に処置ができます。

TEL:047-378-5520
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